茶色のアイドルとチェコの大天使

ドルオタとスケオタをこじらせていくブログ

ミハルヘ

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ミハル、北京オリンピックに出場してくれてありがとう
ショート25位という結果は不本意だと思うし、応援している私もとても悔しくて悲しかった
それでもピョンチャンオリンピックから4年、ボーナスと言ったら失礼だけど、本当ならキャリアを終えているはずだった日々を現役選手として試合に出て活躍する姿を見せてくれたこと、誇りに思います

ミハルに出会った18歳のあの頃から私のフィギュアスケートへの熱量は増す一方だったよ
ジャンプを見分けることはもちろん、ルールも勉強して、得点のつけ方も調べて試合のTESカウンターを見て点数だけでレベルも加点幅もわかるようになったし、PCSもどれくらい出るか見当がつくくらいにたくさんの試合を見たよ

ミハルが試合をするところを見たいと思って2014年のさいたまでの世界選手権はチケットを取った
だけどミハルはショートプログラムで足首を怪我してしまって、私が観戦したフリーは棄権したんだよね
あのとき私は手作りで国旗のバナーを作ったよ
絶対これを会場で掲げるんだって夢見ていた

2017年のヨーロッパ選手権チェコ開催と知った時、絶対に行くと決めた
海外なんて行ったこともないのに絶対にミハルの生まれた国でミハルが滑る姿を観に行くんだって信じて疑わなかった
そのために就職して、仕事は環境があんまりよくなかったけどユーロに行くための資金を貯めるんだって頑張れた
そのおかげで事務仕事や電話応対、レジ締めとかできるようになったこともたくさんある
初めて旅行会社を調べて個人旅行のお願いをして、チェコに行く準備ができた
そうそう、チェコのチケットサイトで大会の通しチケットを買ったんだった
自分で席を選んで、ジャッジの後ろにしたんだよ
チェコ行きの前は調子を崩していて行くのを諦めようかとも思ったけれど結局走り込みとかして行ったんだ

初めての海外がひとりでのチェコだった
これはどんな人に言っても驚かれるんだよ
初めての海外、初めてのヨーロッパ選手権の会場
広くて周りの観客はみんな背が大きくて、私なんか入場に並ぶのに埋もれるくらいだったけどそれすら新鮮で面白かった
ミハルが目の前でスケートしているのを見て息が止まったのを覚えている
ミハルのトリプルアクセルは本当に大きくて美しくてかっこよかった
ジャンプだけじゃない、深いエッジワークや正確なスケーティングがスタンドの上からもわかった
スタジアムの花屋で花束を買って手紙を入れて、ショートプログラムの後にリンクに投げ込んだ
あの手紙、届いているといいな
手作りのバナーを掲げたら気づいてこちらに手を振ってくれたね
嬉しくて飛び跳ねながら自分の席に帰ったよ
あの日は私の27歳の誕生日で最高のプレゼントだった
2017年1月の大会に観客として参加できたことは私の人生のハイライトです

ミハルに出会ったからチェコに行けたのはもちろん、日本各地にも行けたし、ひとりで新幹線や飛行機にも乗れるようになったし、人と話すのも少しはうまくなった気がする
なにより毎シーズン、ミハルがどんなスケートをするんだろうって楽しみにしていたから生きてこられた
2018年のオリンピックで終わりだって聞いた時は寂しかったけど最後まで応援しようってテレビの前で真剣に見た
本当は会場に行きたくて旅行会社に問い合わせたけれど、チケットも宿泊費も高いし倍率も高いしちょっと無理だったよ

2018シーズンのあと、現役続行と聞いた時は驚いたし、ちょっと怒ったし(笑)、でもまだ選手のミハルが見られるって嬉しかった
大会の数は減ってしまったけど、ヨーロッパ選手権には毎年出場して、そのたびに日本の実況解説の人たちに「すっかりおなじみの」とか「14回目の出場」とか言われて勝手に誇らしく思っていたよ
ダニエルちゃんと結婚して、ナヤちゃんも生まれて、夫になり父になったミハルは今までと少し違っていて、よりブレない心でスケートをしているように見えていたよ
2020年のユーロではショートプログラムで1位を獲ったね
あの時は日本は明け方だったんだけどもうベッドから飛び出しちゃうくらい嬉しくて興奮した
長く続けていたらいいこともあるんだなって思った

北京オリンピック、フリープログラムまでミハルの納得のいく演技ができるようずっと祈ってた
だけど、そうだね、そんなに甘くはないよね
ミハルの演技を終えた後の表情、キスアンドクライでいつものポーズをしてくれないほどショックを受けているんだろうことは容易に分かった
いろいろ思ったよこちらも
最初のジャンプがクワドになっていればとか
コンビネーション無理せずセカンドを2回転にしとけばとか
それくらいの点差だったもん
でもスポーツにたらればはないもんね

今朝、ミハルがインスタを更新していて、思ったより早くてびっくりしたよ
メッセージを読み始めたらどんどん涙があふれてきて、英語だし3回くらい読まないと内容が全部分からなかった
ここまで長いキャリアを続けてこれたのは、ミハル自身も相当努力しただろうし、周囲のサポートもたくさんあっただろうし、そのことに誇りを感じていることが文章から伝わってきた
31歳まで世界のトップとして戦うということは誰にでも真似ができることではないし、だからこそミハルにしか見えない景色もあっただろうし、家族やコーチ、友人のサポートへの感謝やスケートから得たものへの感謝を綴るミハルの言葉はとても心に響いたよ
だからやっぱり最後のオリンピックでもフリーまで滑ってほしかったという悔しさもある
でもここまでの選手はめったにいないという誇らしさもある
選手として演技するミハルはもう見ることができないんだという寂しさもある
今もこのブログを書きながら涙が止まらないんだけど、とても複雑な気持ちだよ
ミハルに伝えたいことたくさんあるのに私の英語力ではほんの少ししか表現できなくて悔しかった

だけどミハル、やっぱり一番に伝えたいことは、フィギュアスケートをしていてくれてありがとうってこと
ここまで現役の選手として頑張って、いつも私にエネルギーを与えてくれたこと本当に感謝しています
ミハルが試合に出る時はいつだってドキドキして、うまくいったら叫んで喜んだし、失敗してしまったらすごく落ち込んだ
それくらい自分の命を懸けるって言うと大げさに聞こえるかもしれないけど、自分のなかではそれくらい本気でミハルのこと応援していたし、そんなふうに誰かを想うことはこれまでもこれからもミハルしかありえないと思う
ミハルは私にとってスペシャルなスケーターです
ずっと頑張ってくれてありがとう
お疲れ様でした
早く帰って2歳になったナヤちゃんを抱きしめてあげてね
これからのミハルの人生に多くの幸がありますように


追伸
インスタの最後"old guy"なんて言わないでよ、切ない気持ちになってしまったじゃん
でも確かにミハルはそうなんだよね、ベテランで"old guy"なんだ
どんな気持ちでこの言葉を選んだの?
想像するとやっぱり切ない

最後に
ソチオリンピックチェコ代表のジャンバーは私の一生の宝物です
今も使ってるよ